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有賀泰治ブログ

経営方針共有勉強会

今月のテーマ

《礼儀作法・しつけ・たしなみ》

・・・・・・・・・・・・2016年11月01日
・・・・・・・・・・・・・・・有賀泰治

1、年齢を重ねるごとに自分の立つ地平線が変わり、仕事をすればするほど違う世界が見える。
・・・・・水野和敏

スポーツカー「GTーR」などの開発に携わってきた名開発者、水野和敏さんが日産を退職したのは2013年でした。40年ほどの在職中に、独自の発想と仕事に対する厳しい姿勢により「スカイライン」「プリメイラ」「フェアレディーZ」などの様々な名車を開発してきました。
その水野さんは2014年秋、台湾の中堅自動車メーカーの開発担当副社長に就任。同時に日本に子会社を設立し、そのトップを兼ねることになりました。なぜそんな挑戦をするのか、当時63歳の水野さんはこう言っています。
「20代では自分の作りたい車を、30代ではお客様に求められる車を、40代ではレースに勝てる車を、50代では後世に残る車をつくった。そして、60代ではグローバルで勝ち残る車をつくりたい」
画家であれば、描けば描くほどもっと違う視点が浮かび、また筆を持ちたくなる。登山家ならば、頂上に登るともっと高い山が見えてくる、だから次の山に挑戦するのと同じでしょう。
そして、日本の国内だけではグローバルで勝ち残る車をつくるという目標を達成できないと感じた水野さんは、日本と似た文化を持つ台湾企業と組む道を選びました。
5年、10年と働き続けていると、日々の仕事に追われて、高みを目標にすることを忘れてしまいがちです。そんな時「もういいや」とつい気を許せば、すぐに人は老いてしまうものです。年齢が若くても、老人のように老いてしまいます。
あなたが目指す高みは何ですか?
人が向上心を失えば、人生はそこで停滞します。年を追うごとに成長し、一段上の視点で物事を見る。そしてさらなる高みに向かって歩み続けることが大切です。

2、まごころを大事に
・・・・・竹田和平/竹田製菓

人間の心には“ まごころ ”と、その反対の“ エゴ ” があります。
“ まごころ ” とは他人の痛みを自分の痛みに感じる心。
“ エゴ ” の心は自分のことばかり考えていると心です。

「不可能はない」「何でもできる」と感じるような“こころ”を持ち、この世は自分の「思い」次第、状況は“こころ”次第、どうにも変わるのです。

3、マナーは“ かたち ” ではなく “ 心 ”
・・・・・岩下宣子(のりこ)/現代礼法研究所

家庭でも職場でも、私たちは毎日、人とのつながりを持ちながら暮らしています。その中で、何をしてもされても平気な顔で、自分勝手な振る舞いをしている人を見かけることがあります。そういう人は、自分自身が恥をかくだけではなく、家族や友人、会社で社員として行動しているときは職場の仲間、同僚、すべての人に恥をかかせてしまい、会社のイメージダウンにもつながります。
やはり、人と人の関係は、スムーズで楽しく、豊かなものであり続けたいものです。
「どうしたら、人と人とのおつきあいがうまくいくか・・・」に欠かすことのできない生活の知恵、それが“ マナー ” です。
“ マナー ”は、“ かたち ” ではなく “ 心 ”です。
大切なことは、マナーとしてなぜそう決められているのか、その意味をきちんと理解することです。そして、相手をどんなに大切に思っているのか、どうしたら周りの人に不快な思いをさせないですむか、いつどんな時も「思いやり」の気持ちを忘れないことです。
“ マナー ”というと、特別にあらたまったものというイメージをもたれがちですが、社会人としてわきまえておきたい“ マナー ”以前の『社会的常識』と受けっとってもいいでしょう。
「社会的常識」を知らずに「つい、ウッカリ」ということもありますそのことは別に恥ずかしいことではありません。知らないことに出くわしたら、「このときは、どうしたらよろしいですか」と素直に尋ねてかまいません、知らないことで相手に失礼な態度をとってしまったら、心から謝って、同じことを二度と繰り返さないようにすればよいのです。
『社会的常識』を心得ていれば、いつでもどこでも自信を持って行動することができます。そうすれば“ 心 ” に余裕ができ、まわりの人にも配慮ができるようになるという良い環境が生まれます。

4、「他人に対して礼儀正しくあることは、幸福になれる秘訣である」
・・・・・アラン/20世紀を代表するフランスの哲学者/「幸福論」

「不機嫌という奴は、自分に自分の不機嫌をつたえるのだ」
自分の中にあった不機嫌を他の人にぶつけても、少しも心は晴れません。むしろ、ますます不機嫌さが増してしまったことを経験したことはありませんか!?
互いにに嫌な気持ちだけが残りませんか!?自分に自分の不機嫌を、さらに伝染させたわけです。
アランは「伝染」ということに重きを置いています。喜びも悲しみも上機嫌も不機嫌も伝染するというのです。
幸福にとって“上機嫌”でいることが大切だと説くアランは、「これこそみんなの心を豊かにする! まず贈る人の心を豊かにする」「ひとこと、親切な言葉を言ってごらん」と書いています。
レストランで食事の後、レジで「ごちそうさま。美味しかった」と一声かけてみればいいのです。それは相手にかける言葉ですが、回り回って自分を幸せな気持ちにもしてくれるはずです。
機嫌のいい所作が自分を幸福にしてくれるでしょう。

5、小笠原流礼法
・・・・・小笠原敬承斎(けいしょうさい)

現代社会においても人が生きていくうえでは、好むと好まざるとにかかわらず、周囲との人間関係に適応する必要がある。人と人とが互いにに協力し合い、社会生活を円滑に送るためには、それぞれに規律を守る責任がある。
そのように社会における規律の必要性を感じたのは、武士も同様であった。なぜなら、鎌倉から室町へと時代が流れるにつれ、戦力や武力を磨くのみならず、人間関係を円滑に強固なものにするためにも、礼法が必要だったからだといえよう。
現代では、武士の生活した時代よりも遥かに、人々を取り囲む環境やものが豊かになったのにもかかわらず、最低限守るべき作法やマナーが身についていない人、つまり常識に欠ける人が多いのは、まことに残念である。
なぜ武士たちによって礼儀作法が確立され、それを後世に残そうと努めたのかを、武士の心得を通じて理解すると、おのずと礼儀作法の真髄が見え、現代に生かす意義を感じていただくとこができるのではないだろうか。

真の礼法とは、「こころ」と「かたち」から成り立つ。
「こころ」とは相手を大切に思うこころである。
「かたち」とは、そのこころを行動によって表すことである。
つまり「作法」は「かたち」である。
「こころ」と「かたち」どちらが先かといえば、もちろん「こころ」である。
「かたち」が身につくと「こころ」も身につく、などとも言われるが、私はそうは思わない。
「こころ」を大切にする人が「かたち」を見つつけると、自然で美しい立ち振る舞いができるようになる。
いいかえるならば、相手や周囲の人に対する、自己の内面から発せられる真摯なこころ遣いが、美しい立ち振る舞いとあいまって日常生活が満たされるときこそ、礼法の究極に達するのである。
「なぜその作法が存在するのか」という理由をしっかりと理解することが大切なのだ。

すべての作法の根底に流れている「こころ」は時代が変化しても相手を大切に思う気持ちであることに変わりはないことを確認していくことだ。ものが豊かになった時代だからこそ、人と人とのコミュニケーションが大切に思える。だからこそ、普遍的な「こころ」と流動的な「かたち」を現代の生活に活用していきたいと切に願う。

礼法は男性社会で確立されたものである。
男性は、男性特有の「直線的な美」を通じて、凛々しい印象を作り出すことができる。一方、女性は、女性特有の「曲線の美」を通じて、優雅な印象を作り出すことができる。男女ともに、それぞれにしか持つことのできない、それぞれの美しい振る舞いに接したとなどは、大変嬉しい気持ちになる。
人として日本人として、永い歴史に培われてきた礼法の「こころ」と「かたち」を身につけ臨機応変に自然で美しい立ち振る舞いができるようになっていただきたい。そのことによってさらに、充実した人生を過ごしていただけるのではないだろうか。

6、秩序に自我を対立させるより、自己を合わせていく礼法。
・・・・・司馬遼太郎

「室町時代に室町大名の一軒だった小笠原家がわけのわからないものをつくった。結婚のときお結納を持って行きます。・・・・(中略)それは原理的なものでなくて、瑣末(さまつ)主義でがんじがらめにやったので、これは儒教原理とは関係ないものです」とある。
司馬氏は、日本に儒教やモラルが採り入れられると、その本質が変化してしまう一例としてこのように語られたのだが、室町時代、一般的な武士程度の教養や発想レベルでは公家の教養や禅僧の考えをそのまま理解したり求めたりすることは難しかったと思われる。
司馬氏は「要するに無意味なお作法を室町幕府がつくりだして、これでたいへん荒ぶる大名をおとなしくさせたわけでしょう」とも論じている。たしかに、室町幕府の礼法は、幕府の体制に適応させるための処世術後的な要素があったことは否定できない。だがそれも、個個性の強い武士をまとめていくためには、必要なことであったであろうし、教養を身につけることは決して悪いことではなかったと思う。

7、たしなみ
・・・・・岸田國士

「ゆかしく凜々しく」
 (前略)
十分な働きをするためには、まず仕事のしかたが上手でなければなりません。それからまた、仕事を含めた日常生活をなるだけ有意義に送らなければなりません。言い換えれば、衣食住を通じ、肉体的にも精神的にも無駄のない、健康な、そして同時に趣味のいい暮し方をしなければなりません。人と接するにも、常に気持よく接するというのが、お互いの生活を明るくすることであります。
 日本人がその日本人らしさによって、お互いに心を許し合い、共に楽しむことのできるように、お互いはせいぜい自分の「人間」を磨き鍛へなければなりません。
 日本人らしさとは、私の考へでは、日本精神をほんとうに身につけているということで、すぐ興奮したり、人前でえらそうなことを言ったりすることではなく、昔からわれわれの祖先がそれによって「人として」の値打を示した「ゆかしさ」と「凜々しさ」であります。
 当節、いろいろな人が、いろいろな教えを説いていますが、私はなにも難しいことは言わなくてもいい、日本人は、男も女も、ひとしく、日本人として「ゆかしく」「凜々しく」あれとだけ申したいのであります。これこそ、わが日本人の真のつつしみであります。

8、今月の言葉

挑戦と進化
挑戦を忘れた時、組織も人も進化しないばかりか衰退の運命を辿る。
・・・・・国分秀男(古川商業高等学校女子バレーボール部元監督)

美しさ
何に対しても一所懸命な人は裏表がないし、つくるものが美しい
・・・・・嶋宮勤(すし善社長)

五年、十年、二十年、三十年
一日や二日、一年や二年では何も変わらないかもしれません。しかしこれが五年、十年、二十年、三十年と続くと、途轍もなく大きな差になってくる
・・・・・鍵山秀三郎(日本を美しくする会相談役)

稲盛和夫氏が説く「因果の法則」
運命というものは変えられない宿命などではなく、その人の思い、その人が実行する行為によって変わっていく。そういう因果の法則が、この現世には厳然と存在する
・・・・・稲盛和夫(京セラ名誉会長)

心の声
人間で大事なのは心であり、言葉はその心の生の声
・・・・・山本空外(僧侶・広島大学名誉教授)

花咲く
五十年経って、やっと根が生えた。花咲くのはこれからだ
・・・・・比屋根毅(エーデルワイス代表取締役会長)

決心~吉田松陰の遺した言葉~
断じて之を行えば、鬼神も之を避く。大事を断ぜんと欲せば、先ず成敗を忘れよ
(決心して断行すれば、何ものもそれを妨げることはできない。大事なことを思い切って行おうとすれば、まずできるかできないかということを忘れなさい)
・・・・・吉田松陰(幕末の偉人)

二つの教育
あらゆる人間は、二つの教育を持っている。その一つは他人から受ける教育であり、他の一つは、これよりももっと大切なもので、自らが自らに与える教育である
・・・・・ギボン(イギリスの歴史家)

たった一つの実践
一つだけで結構です。自分にできることで、何か人様のお役に立てることを欠かさず実践していくこと。それこそが志の実践であり、価値ある人生を創造する要訣
・・・・・上甲晃(志ネットワーク「青年塾」代表)

深く根を養う
樹木は根を張った分、枝を広げることができる。人もまた深く根を養ってこそ世の中で活躍することができる
・・・・・横田南嶺(鎌倉円覚寺管長)

人生の基礎工事
人間、何事もまず10年の辛抱が肝要。そしてその間抜くべからず、奪うべからずは基礎工事なり。されば黙々10年の努力によりて、一おう事は成るというべし
・・・・・森信三(哲学者/教育者)

心を鍛える
見事な人生を生きた人たちは例外なく、「物事を前向きに考える」「感謝の心を忘れない」「愚痴をこぼさない」「明るく謙虚である」という方向に、自分の心を鍛え続けてきた人たちである

利他の心を大切に
自分のことばかり考えているうちは、悩みが尽きることはありません。ところが、いつも周囲の人や多くの人のことを考えている人には、悩みというものはありません
・・・・・鍵山秀三郎(日本を美しくする会相談役)

自信を得る秘訣
小さなことの積み重ねは、やがて目に見えない自信に繋がっていく
・・・・・杉山芙紗子(杉山愛の母/テニスコーチ)

ゴールを定める
遠くのゴールがハッキリイメージできると、足元に大きな障害があっても、きっと乗り越えようという覚悟ができる
・・・・・金井誠太(マツダ会長)

努力
努力は幸せになるための手段ではない。努力そのものが幸せを与えてくれるのだ
・・・・・トルストイ(ロシアの大文豪)

本物になる
ほとんどの人が途中でやめる。一生修業し続ければ本物になる
・・・・・渡部昇一(上智大学名誉教授)

言葉の力
人は一つの言葉で傷つき、一つの言葉で励まされる
・・・・・新垣勉(全盲のテノール歌手)

可愛がられる人
可愛がられる人のもとに運やツキが巡ってきて、経験値が増えていく
・・・・・奥田政行(地場イタリアン「アル・ケッチァーノ」オーナーシェフ)

善き思い、善き行動
善き思いを常に心に抱き、善き行動をしておれば、性格が変わる
・・・・・稲盛和夫(京セラ名誉会長)

かけがえのない宝
目の前の一瞬一瞬、いまいるこの場こそがかけがえのない宝
・・・・・鈴木秀子(国際コミュニオン学会名誉会長)

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