6月 経営方針共有勉強会
経営方針共有勉強会 6月
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2012年6月1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・有賀泰治
1、「龍となれ 雲おのずと来たる」
昭和の文人、武者小路実篤氏はよくこの言葉を色紙に書いたそうです。いい言葉ですね。若い魂はこの言葉に感奮興起したことでしょう。龍の絵には必ず雲が描かれていますね。雲は龍が天を縦横にかける働きを助け、地には大いなる恵をもたらします。雲はまた徳望を表しているともいえます。徳望を失った龍は地に落ちる。上に立つ人はすべからく徳望がなくてはならないという教えでもあるようです。
「人間各々の価値はその人が熱心に追い求める対象の価値に等しい」
ローマの哲人マルクス・アウレリウスの言葉です。何を追い求めているか。それがそのまま、その人の価値になる。追い求めているものの内容がその人の人間を決定する、ということです。古今東西、不変の真理というべきでしょう。最後に、新年度が始まって一ヶ月、現状に悶々と楽しまない人もいるかもしれません。
そういう人たちのために、二つの言葉。
「つらいから逃げるのではない。逃げるからつらくなるのだ」
(ウィリアム・ジェームズ)
「いやだな、つらいなと思ってもやらなければならないことがある。
その、いわば『修行』を捨ててしまうのは、みずから『宝』をすてることである」
(松下幸之助)
2、聖徳太子の有名な17条憲法の第10条です。
第十条 忿(こころのいかり)を絶ち瞋(おもてのいかり)を棄(す)て、人の違(たが)うを怒らざれ。人みな心あり、心おのおの執(と)るところあり。彼是(ぜ) とすれば則ちわれは非とす。われ是とすれば則ち彼は非とす。われ必ず聖なるにあらず。彼必ず愚なるにあらず。共にこれ凡夫(ぼんぷ)のみ。是非の理(ことわり)なんぞよく定むべき。相共に賢愚なること鐶(みみがね)の端(はし)なきがごとし。ここをもって、かの人瞋(いか)ると雖(いえど)も、かえってわが失(あやまち)を恐れよ。われ独(ひと)り得たりと雖も、衆に従いて同じく挙(おこな)え。
『心の中の憤りをなくし、憤りを表情にださぬようにし、ほかの人が自分とことなったことをしても怒ってはならない。人それぞれに考えがあり、それぞれに自分がこれだと思うことがある。相手がこれこそといっても自分はよくないと思うし、自分がこれこそと思っても相手はよくないとする。自分はかならず聖人で、相手がかならず愚かだというわけではない。皆ともに凡人なのだ。そもそもこれがよいとかよくないとか、だれがさだめうるのだろう。おたがいだれも賢くもあり愚かでもある。それは耳輪には端がないようなものだ。こういうわけで、相手がいきどおっていたら、むしろ自分に間違いがあるのではないかとおそれなさい。自分ではこれだと思っても、みんなの意見にしたがって行動しなさい。』
3、「出征の日に従弟が教えてくれたこと」
101歳の天寿を全うするまで仏の道を説き続けた禅の名僧、松原泰道氏(「南無の会」元会長)のお話。
『致知』2009年5月号 巻頭の言葉より
私の従弟は、縁あって私の寺で出家をし、弟弟子になりました。ところが、彼は私もお世話になった岐阜の瑞龍寺で修行中に、陸軍の召集令状を受け取ったのです。
昭和19年秋、名古屋の師団から訪れた従弟の出で立ちを一目見て、私は彼がこれから出征することを悟りました。果たして従弟が口にしたのは別れの挨拶でした。
「長い間お世話になりました。これでお別れでございます。どうか兄さん、お体を大事にしてください」
上京の途中で空襲がひどく、到着するまで時間を費やしてしまったので、すぐに帰隊しなければならないというのです。それではあまりにも寂しい別れです。たまたま彼がお茶好きだったことを思い出し、
「急いでもらい合わせの精茶の玉露を淹(い)れるから、 詰めていきなさい」
と、彼の水筒を引きよせようとしましたが、彼は
「結構です」
と言う。私は寂しくなり、
「兄弟がこれで別れるという時に、 遠慮なんかするものじゃない。 水筒を出しなさい」
と命じると、
「兄さん、自分は衛生兵です。 衛生兵の持つ水筒は、私用に飲むためではありません。 怪我や病気をした戦友のために預かっているのです。傷病兵には冷たい水や濃い緑茶の類いは毒です。いただけるのでしたら台所に残っている番茶を お願いします」
と。それが今生の別れとなりました。彼が出征したサイパンは、9月18日に玉砕したのです。たとえ自分の持ち物でも、自分のしあわせのためだけに使うのではなく、人様と分かち合う。
そうしたたしなみが、かつての日本には軍隊にまで浸透していました。私たちも、こうした相手を思いやる気持ちを持ちたいものです。
これは人にお茶を勧める時も同様です。ただ形式的にするのではなく、相手のしあわせを念じてお勧めしてこそ意味があるのです
4、「人生の大則」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・致知出版社藤尾秀昭編集長の言葉
このほど『二宮尊徳一日一言』『修身教授録一日一言』が上梓(じょうし)された。一日一言シリーズはこれで六巻になる。
六人の先哲の語録編纂(へんさん)を終えて、しみじみ湧き上がってくる感興(かんきょう)がある。六人の人生の達人の言葉は、煎じ詰めれば一に帰するという思いである。その一とは何か。それは、
《 花は香り 人は人柄 》
ということである。見た目にいくら華やかで艶(つや)やかでも、造花には真に人を引きつける魅力はない。人もまたいくら実力があっても、傲慢(ごうまん)で鼻持ちならない人に人間的魅力はない。
まず自分を創ること。自分という人間を立派に仕上げること。そして、徳の香る人になること—-六人の先哲がその生涯を通して語っていることはその一点に凝縮される。これこそ人生で一番大事な法則、これを遵守(じゅんしゅ)すれば人生は大丈夫という原則、すなわち人生の大則であろう。
では、どうすれば自分を創ることができるのか。六人の先哲の言っていることは、概(おおむ)ね次の三つに集約されると思う。
一つは、人生に対して覚悟を決めること。覚悟を決めない限り、真の人生は始まらない。先哲は繰り返しこのことを説いている。
沖縄の漁師が言ったという。
「遠洋の漁場に出ようと決めると、風が起き、帆がざわめき、波が立ってくる。だが、まだ覚悟が決まらない船には風が起きんのよ」
人生もまた然(しか)りである。
二つは、傲慢になるな、謙敬(謙虚で、敬い慎むこと)であれ、と教える。不遇の時には謙虚だった人が、うまくいきだすと傲慢になる。人間の通弊(つうへい)である。だが、傲慢になった時、天はその人の足をすくう。その事例は数限りない。
三つは、誠実であれ、ということ。誠実は古来聖賢がもっとも大事にした人間最高の徳目である。
あえてもう一つ加えれば、「久」であろう。久しく続けることで、人生の大則は揺るぎないものになる。
最後に、二宮尊徳の道歌を紹介したい。
父母(ちちはは)もその父母(ちちはは)もわが身なり われを愛せよ我を敬せよ
あなたの命はあなた一人のものではない。父母(ちちはは)、その父母(ちちはは)と幾世代にもわたり、連綿と続いてきた命。その命の炎が一度も途切れることなく続いてきたからこそ、あなたの命がある。あなたの身体の中には幾百万、幾千万という先祖の連綿たる命の炎が燃えている。
そういう尊い命の結晶が自分であることに深い思いをはせ、自分を愛し、自分を敬うような生き方をしなければならない。
私たちが決して忘れてはならない人生の大則がここにある。
5、「人は話しかけると喜ぶ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・経営コンサルタントの伊吹卓
私たちは、見知らぬ人や初めてのお客様に話しかけることは少なからず抵抗感があります。失礼になるのではないか、嫌がられるのではないか、無視されるのではないかなどと考えるからです。
車中で隣りに座った人にも話し掛けるなどを繰り返してきてわかったことは、「人は話しかけると喜ぶ」ということです。そして、さらにあらゆる機会を見つけては、いろいろな人に話しかけているうちに、話しかけることには利点がたくさんあることに氣附きました。
それは、
1.会話のきっかけが生まれる
2.人に喜ばれる
3.出会いの機会が増え、友人が増える
4.話題、情報が増えて世間が見えてくる
5.話し掛け方、話し方の勉強になる
6.人を見る目が肥えてくる
7.楽しい会話をしてストレス解消になる
話しかける利点を知って、お客様に話しかけていきましょう。
6、5月の言葉
「徳は孤ならず、必ず隣有り」
(徳のある者は孤独にはならない。
必ず理解し寄り添ってくれる人が現われる。
もし孤立しても、それは一時的なものだ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・孔子(『論語』の言葉)
失敗と書いて「せいちょう」と読む
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・野村克也(東北楽天ゴールデンイーグルス名誉監督)
素晴らしい人生とは何事にも一瞬一瞬を完全燃焼する、その連続である
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下村満子(ジャーナリスト)
人間は苦しみを通って、初めて本当の生を生きる
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・西村滋(作家)
何事も懸命に学ぶ習慣がよき将来をつくる
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・安岡定子(安岡活学塾 銀座・寺子屋こども論語塾専任講師)
目標を見失うことなく、軸をブラさない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・北康利(作家)
勤倹、克己。一にもってこれを貫く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・安田善次郎(安田財閥の創設者)
地球に住む生命体に、宇宙は等しく天敵を与えた。
人間を襲い、むしばむ天敵。
それは心の中に巣くう不平不満である
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・藤尾秀昭著『ポケット名言集「小さな人生論」』P127より
困難は冒険の始まり
自分を成長させるために不可欠なもの
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・宮川豊史(全盲の東久留米市議会議員)
人に心配をかけない努力は君の信用を築く
それは運命をよくし、幸せを招くコツだ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・松下幸之助(パナソニック創業者)
土日も休まず、仕事漬けの日々を送っていく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・白幡洋一(ベガルタ仙台社長)
真に生き甲斐のある人生とは、つねに自己に与えられているマイナス面をプラスに反転させて生きること
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・森信三(哲学者)
自分たちでやるんだという気概がなければなりません
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・村井嘉浩(宮城県知事)
持続力と根気の二つを維持していくことが大切。
これがいったん失われてしまうと、すべて依存心に支配される
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・鍵山秀三郎(イエローハット創業者)
固い決意と粘り強さが不可能を可能にする
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・救世忍者 乱丸(義眼の女子プロレスラー)
人生に無駄なことはない
続けることで力になる
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・阿川佐和子(作家)
後輩の存在意義は先輩を追い越すことにある
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・江利川毅(人事院前総裁)
自らの強みを知りその強みに磨きをかけよ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・酒巻久(キヤノン電子社長)
働くことは人間を磨くこと、魂を磨くことだ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・稲盛和夫(京セラ名誉会長)
「一棒一條痕」
(一度棒を打ち込んだら一生痕が残るくらい真剣に打て)
「一掴一掌血」
(一度掴んだら血の手形が付くくらいに掴んで絶対に離すな)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・王陽明(明の儒学者)
人間を磨くのは言葉。
よき言葉を与え続ければ、眠っていた遺伝子は必ずスイッチ・オンになる
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・土屋秀宇(日本幼児教育振興会副理事長)