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有賀泰治ブログ

なぜ?松本市役所の現地建て替え?

市が市役所庁舎の現地建て替えを決めた。

松本市民としてなぜ現地建て替え❔ 素朴な疑問が起きる! 新聞などを読んでみるが、現地建て替えの経緯や理由がわからない?

数人の専門委員会を開催したようだが、一般市民には内容の説明がないのでわからない。

市庁舎は、国宝松本城に近い、外堀太鼓門の出口にあたる所にあり、さらに市庁舎の東側にはわずかだけど残っている総堀が有り、お城の総掘りと外堀の間、「お城の中に現在の市庁舎が建っている」といってもいいと思っている。

感じたこと

1、いま、松本城を「世界遺産登録」へと目指す運動も起きていて、専門家を招いたシンポジュウム「世界遺産と天守」が、まつもと市民芸術館で開催予定となっているようだ!

9月14日の信毎新聞には、市庁舎現地建て替えと、松本城を世界遺産登録へ、の記事が同日に載っている?

2、松本市は現在、数十億の血税をかけて外堀の南側と西側の復元のために、住民の立ち退きなどを含め、整備を施工している!

住民には「外堀を復元するので立ち退け」「市役所庁舎はそのまま外堀と総掘りの間の現地に建て替える」といっているのか?

3、お城を世界遺産に登録するには、外堀復元が不可欠と聞いたことがある! 外堀は血税で修復するが、本気で世界遺産に登録する気はあるのか?

4、世界遺産になった、いろんなところへ旅をしているが、世界遺産を登録申請した町は、何処でも、登録した世界遺産の景観や環境に合わせる努力をしている。日本でも、その地に行くと、一番最初にわかることがある!コンビニの看板が違う!セピア色になっていて驚いたことがある。地域全体で協力しあっているのがすぐわかる。そんな中でお城の中に近代的な市庁舎を建ててもいいものか?

市は世界遺産の申請には新市庁舎を現地建て替えでも問題は無いと言っているようだが、申請に問題無いということではなく、世界遺産の外堀を挟んで、道路の向かいに近代的な建物が建っている。そんな世界遺産でいいのか?

5、観光資源

松本城は上高地、美ケ原に並ぶ観光資源だ! 世界遺産として観光客を誘致するのは、経済効果も莫大なものになる。本気で経済を活性化する気はあるのか?

観光客数でみる松本市

松本市役所観光温泉課の資料によれば、松本への観光客総数は平成5年の392万人をピークに毎年減少し、平成28年は267万人となって125万人も減少している。

6、世界遺産と観光客数を調べたものを見たが、世界遺産に登録すれば観光客が増えるというものではないが!

世界遺産になれば、孫子の代までの資産になる。市庁舎はせいぜい50年くらいだと思う。

内閣府の調査資料(古いけど参考になる)

・・・・・・・92    93      → 2003  2004/年

白神山地       2,433  2,351 → 3,999 -   /万人

日光の社寺    2,418  2,160 →1,489  1,498

白川郷      1,337  1,174 → 2,283  2,160

広島平和記念館1,435  1,389 → 1,103  1,065

厳島神社   1,452  1,515 →1,402  1,294

屋久島      242     209 →   315

琉球王国グスク 1,114  2,148 → 2,513  2,455

観光客の人数が減っているところは、震災など風水害で被害にあった年や翌年は減少している。また、行っては見たが、また行きたいと思わないとかの理由もあるようだ、いかに観光客を産業として受け入れるかの姿勢が問われる場合もあるようだ。

 

回想してみると

私が小学校の時に建てられた、松本市庁舎、学校の授業で見学に行ったことがあります。本庁舎展望台から松本城を見下ろし、「わ~!すごいな!」と皆で思った。当時市庁舎は松本一の高さを誇り、市役所から見下ろすことが出来た。

後に大人になって知ったことは、そこに市庁舎を建てた市長は、国政の大臣も務めた人で、松本市の発展に尽力した人だと知った。だがその立派な市長さんも、天守横の月見櫓で、役所の女性社員に酌をさせ月見の宴を催したようです。市庁舎から天守を見下ろし、月見櫓で酒を楽しみ、殿様気分を満喫しても、次の市長選には市民から選ばれませんでした。

かつては世界遺産などという、世界基準の文化財保護の動きが無い時代は、日本は西洋に追いつけと、廃城をして城を壊し、堀を埋めて、景観などかまわずビルなどを建設してきたが、市庁舎建て替えの時こそ、松本城を考え、観光資源としてのお城を考えるべきではないかと思う。また、平成の合併で広域となった松本市が今の場所に市庁舎がある方が不便ではないか?行政は殿様ではない!市民の公僕ではないのか?

「健康延命延伸都市」と言って、老人福祉に力を入れて、そこばかり声高々にアピールしてはいるが、老人福祉も事と次第によっては産業になり、経済発展にもつながるかもしれないが、80歳で亡くなった私の母は医療関係に従事していたが、病床で「苦しい延命はしてほしくない、老人に税金をつかったり、老人から金を取るのではなく、若い人が一生懸命働くことができ、幸せになれるような社会がいい」と言って亡くなっていった。

市長は市民から直接選挙で選ばれ、絶大な権力を得ます。特に市政においては、執行権と人事権を与えられます。物事を決め、執行し、自由に職員を動かせます。議会はその市政をチェックする機関ですが、市長の権力には市会議員全員が束になってもかないません。新聞でも市庁舎の現地建て替えを市議会が認めたとあります。しかたありませんね。

前市長を箱物市長と批判し、特に市民芸術館を建てたことについては、相当な批判をしていました。「市民芸術館で行われる歌舞伎はブルジョアの贅沢なもので不必要」と現市長から直接聞いたことがあります。文化、芸術は贅沢、不要と切り捨てた言葉を聞いて驚いたことがありました。中国の文化大革命やカンボジアのポルポト政権のようだ、ポルポトはメガネをかけているだけで、文化人としてハンマーで頭をかち割って殺害した。ポルポトが生きている時に、カンボジアへ戦争被害にあった人の働く施設づくりのボランティアで行って知った。

島内にある県の合同庁舎は今は使われず空き部屋になっているところもたくさんあるようだ。県と話合い有効に使えないのかとも思う。

 

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