創業者の精神
3月の経営方針共有勉強会
今月のテーマは《上求菩提 下化衆生》
創業当初より、私の座右の銘は《向上無限》としてきました。「どこまでも成長し続け、可能性は無限大だ」とし、事業に邁進してきました。
それは当時の総理大臣がよく言葉にしていたもので、他にも『上求菩提 下化衆生』の引用もありました。35年も前の事です。
いま改めてこの、上求菩提 下化衆生を深く考え、それを社の皆さんに伝え、それに合わせて私の意を受けて社長の考えを社内に発表することにしました。
以下 資料
上求菩提 下化衆生
2019年3月1日
有賀泰治
悟りを極める修行をしつつ、人々の救済に奔走することが修行の王道であるという教えです。
この教えの根拠として「利自即利他」という考え方があります。
自分を利することと他人を利することを同じく考えるということです。これを両立させる方向で考えた場合、ここに幸福の芽が出てくるという考えが前提としてあるのです。
悟りを極めようとすると、最初の段階では主として自己変革・自分作りの修行になりますが、最終的には他人を導くリーダー・指導者の修行になっていき、「究極の悟りとは、多くの人を導く能力を持つことだ。」ということになります。
上求菩提 下化衆生 を企業に置き換えると、
企業の使命は、関係する全ての人々の永遠の幸せの追求実現と考えます。
2019年3月1日
有賀政揮
1、会社の使命は、関係するすべての人々の永遠の幸せの追求、そしてその実現。
⑴、「企業は誰のもの?」社員や取引先、顧客、さらには地域住民を含め、その企業に関わる全ての人々のもの。つまり、「社会皆のもの」という見方、考え方とします。
株主や出資者、経営者がいなければ、企業も誕生しないし続けることができませんが、社員や顧客、さらには取引先、仕入先がなければ、その活動は一日たりとも成り立ちません。どのような形態の企業であろうと、必ず社会の支援を受けることで、その事業は存続していきます。
“ 企業経営とは ” を考えたとき、経営戦略の立案や実施、経営管理同様「企業は誰のものか」という見方、考え方こそが企業の盛衰を決定付けていくと確信しています。しかしながら、今までは企業経営の目的、使命を、企業を成長、発展させることや、企業の業績を高めること、さらにはライバルに勝利することに捉えてきました。
「何のために企業を成長、発展させなければならないか」
「何のために業績を高めなければならないか」
企業の成長、発展や業績向上、ライバルとの勝ち負けなどは、経営の目的ではなく、経営の目的を正しく果たすための手段であり、またその結果に過ぎません。では、手段であり、また結果である成長や業績、企業間の勝ち負けを目的化し、追求すれば、企業経営はどうなるか。そうした経営では、社員や仕入先や協力企業など、かけがえのない経営資源をコストや材料と評価してしまうばかりか、企業の成長を決定する顧客を目的の対象や手段と考えるようになってしまい、目的を実行するための手段や結果だけを追求するだけで、必ず誰かを不幸にしてしまいます。
⑵、企業の目的、使命は何か?
「企業に関係する全ての人々の永遠の幸せの追求、実現」です。我々は、仲間と共に、幸せな人生を送ることは生きる目的であり、夢だからです。そして「会社は何のために業績を高めなければならないか?」。目的こそを重視した経営の重要性を考えると、どんな業種業態でも、企業の最大級のコストは原材料費または仕入れ高と人件費です。業績は「売上高マイナス費用」で示されるので、業績を追求するには二つの方法しかありません。
一つは、売上高を増加すること。もう一つは、費用を下げること。
売上高を増加させるためには市場の拡大や差別化、さらには新商品や客単価を上げることですが、市場は物的成熟化や経済社会のボーダレス化、グローバル化の進行も加速しており、ライバルもそうしたことを常に考え、攻略してきます。企業は自ずと成長拡大の営業努力し販売力を高めることが必要です。
2、「六方良しの経営」
⑴、「企業は五つの業から成る生命体」
第一は「環境適応業」。第二は「市場創造業」。第三は「幸せ創造・提案業」。第四は「人材育成業」。第五は「社会貢献業」。この五つから成る生命体こそが企業と言えます。
「環境適応業」は、企業はその時代の環境に適応しながら生き、「変化適応業」といってもいいように、時代の変化に乗れなければ企業の存続はできません。
「市場創造業」は、企業自らがマーケットに対し、顧客が求める新しい価値を創造、提案し続けることで存続していくという意味です。
「幸せ創造・提案業」は、企業は事業を通じて、その関係者の幸せを創造・提案するもの。単にモノやサービスの提供ではなく、提供している財が何であれ、多くの人々が幸せを実感できる企業です。
「人財育成業」は、企業は人財を育成することを目的とした教育機関であり生き物である。
「社会貢献業」は、社会や地域に本業はもとより、本業以外にも企業市民として貢献することが義務付けられた生き物。その中で最たる貢献は、雇用責任や納税責任、さらには継続責任や利他責任、さらには社会的弱者支援責任もあります。
この、人を大切にする経営において、企業が幸せを追求、実現すべきは誰か!「企業取りまく全ての人々」です。当社では以前からこの「企業取りまく全ての人々」を六種の利害関係者集団と指してきました。
この会社を取り巻く重要な6つのグループは、顧客・仕入先・金融機関(土地・建物)・社員とその家族・株主・国 公共 地域社会・と、360°で会社から全てが同等の位置にありました。
⑵、私は、その360°「六方良しの経営」をこれまで以上に進化させた経営を目指します。
まずは社員第一主義。当社で働く社員のみなさんがワクワクしながら働ける職場環境、福利厚生、マネジメントを追求することで、社員の定着率も高まる会社になります。
そして、その家族を社員と同列に位置付。企業の福利厚生制度を通じて、社員の家族の幸せを追求・実現するというレベルではなく、社員の家族も企業の仲間・メンバーと評価・位置付け、社員の家族も「大切な企業」と実感できる経営を追求する。
また、これまでコスト・原材料と見てきた仕入先や協力企業を「社外社員」つまり社外の正社員と評価・位置付けます。仕入先や協力企業を安ければ安いほどよい、「最大級のコスト」という考え方であったが、仕入先や協力企業はコストではなく「目的」と考える。
そして、企業の業績は目的ではなく、手段もしくは結果とみます。ただこれらが存在しなければ企業そのものが存在しません。
これらはグループの永遠の幸せの追求とその実現です。誰をも犠牲にしない経営哲学です。
人を大切にする経営を行う良い会社は、多くの社会問題を解決していき、そして経営が安定し、社員が安心して子育てできるので、少子化問題にも貢献していきます。障害者や高齢者の雇用も推進し、地域貢献度を高くしていき、地域の活性化にも役立ち、雇用を維持安定化し続けることで、地域の方たちとの結びつきを深めます。
この世で一番大切なのは、人間の命と生活です。社員とその家族を大切にする経営上、「会社経営の最大、最高の使命と責任は、企業に関わる全ての人々の幸せの追求とその実現」です。その中で最も重視しなければならない「人」とは、社員とその家族です。
3、企業とその社員であることの責務
⑴、人の幸せは「人に褒められること」「人に必要とされること」「人に喜ばれること」「人に愛されること」の4つと言われます。つまり、人の幸せは働くことをおいては、得ることが不可能でしょう
人の精神性を高める唯一の条件は、社会参加でありつまり働くことです。
⑵、いい会社とは・・・
会社の真の目的・使命を果たすことを基軸に経営を実践していく会社。
関係する全ての人々が幸せを実感している会社。
⑶、私は、皆が満足やモチベーションが高く、手段である業績や勝ち負けの追求だけをしない会社経営をし、真の目的は「関係する全ての人々の幸せを追求・実現できる使命感を持った会社」づくりを使命としていきます。